先ほどの日記の5分後にこの日記を書いてるんだけど、日付が変わったので
6日付けの日記になるのかな。
えっと、書こう書こうと興奮しながら思ってた、本のネタ。
昨日読み終わったんだけど、またしても号泣でした。
恋愛小説・・・・というか、純愛小説・・・・というか。
水の翼 小池真理子・著
amazonnさんのあらすじより抜粋・・・・・・・・・・・
年の離れた木口木版画家の夫・柚木と静かに暮らす紗江の元に夫の弟子になりたいと青年・東吾が訪ねてくる。どこか謎めいた東吾にひかれていく紗江。二人は柚木の急逝を境に互いを激しく求め、その愛は永遠に続くと思えた。しかし東吾が突然姿を消す。なぜ?己の美の完成だけを目指す男と、内なる感情のすべてを捧げた女の愛を描く長編小説。
って、あらすじだけ読んだら「メロメロドラマ」って思うでしょ!?
でも違うの。違うの。
もう読んでる間中、私は主人公に入りきってしまっていて
東吾クンの「心の闇」が見えなくて、ハラハラキリキリしてました。
恋愛小説であると同時に、推理小説みたいなところがあって
何度も何度も「どんでん返し」が・・・・・・・・・・・。
あのね、村上春樹さんの「ノルウェイの森」とちょっと似てると思った。
「あなたが見えません」みたいな。。。。
何かのキーワードのように、三島由紀夫さん・全共闘・「テロリスト」・・・・という言葉が
織り込まれていて、最初はすごく違和感を感じるんだけど最後の最後に
「あぁ・・・・」って。本当に切ないため息がもれちゃう本でした。
(以下ちょっとネタバレ:注意です)
途中、東吾クンが主人公に隠していた事実を告白するシーンがあるんだけど
そこで、もう私までガックリしてしまって。
現実世界の私なら、絶対に東吾クンのその話、全てを受け入れると思うんだけど
本の世界に入りきってる私は、東吾クンが許せなかった。
(完全に主人公の紗江さんに浸かりきっていた^_^;)
東吾クンは「神」でなくてはいけない存在だったのよ。
紗江さんにとっては。
なくなった旦那様は、神であると同時に紗江さんという人間を
愛して、「こちら側」に鎖でつながれてた部分があったように思う。
だからこそ(?)、もしかしたら
早い時期に、神様に召されてしまったのかも・・・・なんて思いながら
読んでました。
だけど東吾クンは、こちら側にいながらも、半分は「あちら側」にいて
だからこそ、天才的な美術作品を(旦那様とは違う意味で)
創作できたわけで・・・・・・・・・・
だから余計に、紗江さんにとって東吾クンは「神」でなくてはいけなくって
東吾クンの告白は許せるものではなかったのだと思う。
その後の東吾クンの台詞の一つ一つが私にもなんだか
妙に白々しく感じられて・・・・・・・・・・・
現実世界では絶対に(私個人的には)何の問題もないはずなのに、
本の中では(紗江さんにとっては)絶対に許せない・・・事だったのでした。
そこにもってきて、最後のどんでん返し。
ぜんぜん想像していなかった結末でした。
天才美術家の東吾クンが、自分を「半狂人」と言った言葉に涙。
最後の最後の
「太陽に向けて、僕の翼を広げる」という言葉に嗚咽。
切なかった・・・・・っす。
途中でほんっとに辛くなって、何度も読むのやめようかと思ったんだけど
読んでよかった。大好きな作品の一つになりました。
結構図書館で借りてきて、本気で気に入った本は購入する・・・・という
形を取ってるんだけど、これは買います(^^)
恋愛小説であると同時に、テロリズムの本でもあったような・・・